
「訪問リハビリって、どんなことをしてくれるの?」
「うちは狭い家だけど、それでも来てくれるの?」
「実際、効果はあるの?」
このような疑問をお持ちの方に、今回は私たち親子のリアルな体験を交えながら、**訪問リハビリ(理学療法・PT)**の流れやメリットをご紹介します。
■ 息子の状況:脳性麻痺による体幹機能不全
うちの息子は、脳性麻痺による体幹機能不全があり、身体障害者手帳2級を取得しています。現在の運動機能は以下のとおりです:
- 掴まり立ちは可能
- 伝い歩きは数歩程度
- 独歩(ひとり歩き)はまだ難しい
- 手を離しての立位保持は数十秒できる程度
週に1時間のリハビリを受けており、そのうちの一部が訪問リハビリ(PT)です。場所は、自宅の6畳の子ども部屋。半分は遊具が置かれているため、実際に動けるスペースは約3畳と、正直かなり狭いです。
■ 狭くても大丈夫?訪問リハビリはスペースを問わない!
最初は私も「こんなに狭いスペースでリハビリなんてできるの?」と心配でした。
でも、PTさんは言いました。
「一畳あればできます。」
実際、PT(理学療法士)さんたちはどんなお宅にも対応できるように、工夫してプログラムを組み立ててくれます。なので、スペースの心配は不要。ご家庭に合わせたリハビリを提供してくれるのが、訪問リハの大きな魅力なんです。
■ 訪問PTリハビリの流れ(実例)
訪問時のリハビリの流れはこんな感じです:
- 体温測定・体調確認
まずは体温チェックと、当日の体調のヒアリング。風邪気味や眠気が強い日は内容を調整してくれます。 - 信頼関係づくり
いきなり「はい、リハビリ!」ではありません。息子の表情を見て、本人のやりたいことを尊重しながらスタートします。
最近の息子は「ビジーカー」がお気に入り。
「乗りたい」「押したい」と自分の希望をしっかり伝えてくるので、まずは自由に遊ばせます。
- マッサージ&コミュニケーション
遊びながら、軽いマッサージや身体のチェック。保護者ともお話ししながら、日々の成長や困りごとを共有します。 - 水分補給を挟みながら、徐々にリハビリへ
30分ほどたってエンジンがかかってきたところで、本格的なリハビリをスタート。
うちの息子は「最初の一歩」が難しい段階なので、壁を背にして立たせ、大好きなボールで誘導。
遊び感覚の中で、足を一歩出すきっかけを作ります。
※「釣る」という表現がピッタリ(笑)
- 疲れが見えたら無理はしない
15分ほどで集中力が切れてくるので、あとは座って遊びながらバランスや手足の運動。
無理なく、でも確実に身体を動かす時間を大切にしています。
■ 親が学べる!「家にあるものでできるリハビリ」
訪問リハのもう一つの大きなメリットは、親も一緒に学べること。
PTさんは、その場で使っているおもちゃや家具、日常の動きの中で「こういう風にサポートしてみてください」と具体的にアドバイスしてくれます。
だからこそ、日常の中でも“療育の延長”ができるのです。
■ 訪問リハビリはどこに相談すればいい?
訪問リハビリを始めたい場合、まずは以下のようなところに相談してみましょう:
- 主治医やかかりつけの病院(紹介状が必要な場合も)
- お住まいの市区町村の障害福祉課や子ども発達支援センター
- すでに利用している児童発達支援事業所
- 居宅介護・相談支援専門員(サービス等利用計画を立てている場合)
訪問リハは医療的な制度に基づいたサービスなので、医師の指示書が必要なケースもあります。まずは、医療・福祉の窓口に相談してみてください。
■ まとめ:訪問リハビリは、暮らしに寄り添う最強の支援!
訪問リハビリは、「狭いから無理」「特別な器具がないとできない」と思われがちですが、実際は日常の中で行えるオーダーメイドの支援です。
理学療法士(PT)さんが子どものペースに合わせて丁寧に関わってくれるので、安心してお願いできますし、親にとっても学びの場になります。
我が家のように、リビングや子ども部屋が狭くてもまったく問題なし!
一畳あれば、立派な「リハビリ空間」になるのです。
■ よくある質問(Q&A)
Q. 訪問リハビリって、何歳から受けられるの?
→ 医師の指示があれば、乳児期から可能です。
Q. 自宅に道具がなくても大丈夫?
→ 問題ありません。PTさんが持参したり、あるもので工夫してくれます。
Q. 料金はどのくらい?
→ 医療保険や公費負担の制度により自己負担は少なめですが、条件により異なるため自治体や相談窓口に確認を。
■ 最後に
子どもの発達を支えるために、専門職と家庭が連携できる訪問リハビリはとても心強い存在です。
「うちの子に合っているかも?」と思った方は、ぜひ一度、相談してみてくださいね。
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